インボイス制度を契機とした取引条件の見直しに係る注意点➀

インボイスを専門とする税理士集団たんぽぽとして注意喚起したい最初の事例は、「取引対価の引下げ」です。

公正取引委員会さんの見解はこんな感じです。

取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施後の免税事業者との取引において、仕入税額控除ができないことを理由に、免税事業者に対して取引価格の引下げを要請し、取引価格の再交渉において、仕入税額控除が制限される分について、免税事業者の仕入れや諸経費の支払いに係る消費税の負担をも考慮した上で、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではありません。しかし、再交渉が形式的なものにすぎず、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合には、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となります。

相変わらず難解な文章ですが、ポイントはこんな感じでしょうか

・仕入税額控除ができない分を取引価格から引き下げたとしても、いろんなことを考慮して「双方納得」であれば特に問題とはならない

・交渉が形式的で、仕入側の都合で著しく低い価格(仕入税額控除ができない分を超える引下げ)にすると問題となる

難しい言葉ですが、インボイスのスタートから数年は買手に一定の「仕入税額控除」が認められているので、買手側は免税事業者と取引しても消費税を全額負担することにはならない、だから、消費税額(10%)全部の引下げは不当である。これがわかっていれば買手側と五分の交渉ができると思いますので、知識として大事にして欲しいポイントです。迷ったら、迷わず(?)税理士さんやタックス・コンサルタント(Tax consultant)に相談しましょう。選択肢のひとつとして、たんぽぽは存在しています。

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